C O M M E N T S

☆東京エスムジカ宛にコメントをいただきました。


◆飯田豊(メディア論)
 世界各地の音楽文化を縦横無尽にミクスチャーし、極上のポップスへと昇華させる "東京エスムジカ"。「エスムジカ(eth-musica)」とは、「民族的な(ethnic)」と 「音楽(musica)」をそれぞれ意味する英語とラテン語を組み合わせた造語である。 そのファースト・アルバム『月凪 〜the world of eth-musica〜』は、DEEP FOREST やENIGMAの流れを汲むエスニック・サンプリングの手法を、叙情的で流麗なポップス のなかに統合した、彼らの幽玄な音世界が凝縮された野心的な一枚だ。
 東京エスムジカの音景には、漂泊の旅に対する憧憬が満ち溢れている。彼らが描く 無軌道な経路は、すべてが混淆した、いわば雑居的な印象をわれわれに与え、しなや かさと軽やかさのなかにも一抹の苦悩を滲ませている。しかしこの混成性こそが、ま さしく民族音楽のエスプリに他ならないのだ。
 たとえば、『ギター弾きの恋』(ウディ・アレン)や『僕のスウィング』(トニー ・ガトリフ)などの映画のヒットとも相まって、西洋諸国のなかで近年、ロマ文化に 対する関心が急速に高まっている一方で、彼らは今なお、社会の最下層に抑圧された マイノリティである。漂流の民である彼らは、千年ほど前に北西インド地方からヨー ロッパに移動し、数百年の時をかけて各地に分散/定住していった。その各々の地に おいて独自の文化を築いてきた彼らは、古来のジプシー文化を継承しつつも、住み着 いた土地の伝統文化や風土と融和しながら、やがて絶妙な混血文化を形成するに至っ た。つまり、文化的アイデンティティの不安定さを戦略的に読み替え、「起源( roots)」に向かう直線的な関係性よりも、「経路(routes)」を移動することによ って生成した媒介的なるもののなかにアイデンティティを見出すのである。
 民族の起源に先行する異種混淆的でコスモポリタンなエネルギーを咀嚼し、しなや かなポップ感覚に裏打ちされた奇跡的な楽曲を完成させた東京エスムジカ。彼らの曲 を耳にして、その混成性に身体感覚が囲繞される刹那、僕ははからずも、旅に住まう 文化の回路に絡めとられているのである。


◆イジマカオル(写真家)
彼らの ウタ を聴いていると、一度も行ったことのない土地に行ってみたくなる。
彼らの ウタ を聴いていると、なぜか見たことのないはずの 故郷 フルサト に帰りたくなる。


◆石本一城(バイヤーズnice choice!編集長)
エスムジカ最高!


◆後藤繁雄(編集者/クリエイティブ・ディレクター)
僕たちは、いま、ここにいるけれど、実は太古からのグルーヴの中で生きている。
時々、自分をこえたそんな記憶を、カラダに思い出させてくれる素敵な音楽や声に出会うことがある。イシガキの響きや遊牧民のリズム。カラダにかくされた扉をひらいてくれる彼らの音楽はとってもエロチックなものだ。


◆小林 浩(CMJ JAPAN代表)
日本の音楽業界に久々に現れた天才‘早川大地’率いる「東京エスムジカ」。
そしてその天才の分に、感性と言う名のスパイスを振り掛け自分達の色を作り上げるVoの平得美帆と瑛愛の二人。
時にしてオリエンタルで甘美な音世界を飛び回る、計算された旋律・サウンド・サンプリングを感性が凌駕していく。その音世界はまさに確信であり革新であると言えるであろう。
「東京エスムジカ」の笑顔と素顔が交差する瞬間は‘今’を作りながら楽しんでいるよ うだ。
イノベーションを良質なエンタテインメントに変え、ヒットと言う魔物に出会うのも 簡単なんじゃないかと思わせてしまう。そんなにくいお茶目さん達が、今キラキラ輝 き始めている。


◆シュウ・ホシノ(音楽ライター)
「東京エスムジカの出現は、奇跡であると同時に、必然だ」
 DEEP FOREST、ENIGMA等のエスニックサンプリングを活用したアーティストが注目され、元ちとせ、一青窈が人気の日本の音楽シーンに、極めつけのグループが現れた。
 アジアは、ウラル山脈を超えて、ヨーロッパと陸続きだし、中東を超えればアフリカ大陸にも繋がっているということを世界地図を見て確認した。様々な民族の楽器や声と、2人の魅力的な女性シンガーとの融合が、僕たちを世界空想旅行に連れて行ってくれる。最高!


◆中島嘉昭(株式会社ヤマチク 事業本部 部長)
 ジプシーキングスの様なサンプリング、バックトラックのすばらしさ!!女性陣の ヴォーカルとのマッチングは最高!!「紺碧の後にして」は、インパクト曲。「雨音 がサヨナラのメロディを」のサビメロもイイですね。「ケモノ」もパイロットとして 充分OK!!総合点は、非常に高い。これは早く早く世に送り出したい!!ですね。  めちゃ!気に入りました。(談)


◆福島"ふくりゅう"龍太郎(バァフアウト!編集部)
 人類が誕生した瞬間から、現在の地球の歴史までを紡ぐサウンド。東京エスムジカが描き出す、ワールド・ミュージックのニュアンスをポップに取り入れた音楽には、まるで天地創造を思わせる壮大なイメージがある。そして心に染み渡り涙を誘う和を感じさせる美しきメロディ。それはまるで過去に未来を見つけたような、懐かしくも新しい不思議なパラドックスを生み出す。"悠久の時"、"終末への疾走"、"人類の叡智"。彼らのサウンドに耳を澄ますと、そんなキーワードが胸に浮かんでくる。東京エスムジカが生み出す音楽には未来永劫、輝きを忘れない強烈な音塊、そんな意志の強さをしなやかに感じるのです。


◆宮崎刀史紀(早稲田大学演劇博物館客員研究助手、オハイオ州立大学芸術学部客員研究員)
 東京は中心でありながら、周縁でもある。様々な文化や情報、生き方が集まってくる一方、もはや空虚な「中心」の中で、それらは力強さをあてにしながら、行き場に迷い、たゆたい、優しさを探し求めている。そんな中、東京エスムジカが、創造的なエネルギーに溢れたピカイチの「周縁」として輝き始めた。
 東京の、日本の、アジアの、世界の、そして一人一人の中の、「周縁」を、繊細さと力強さを存分に生かした歌声や歌詞の中に、そして世界中の感情を想起させるメロディや音の中に、多層に絡み合いながら一歩一歩前進していく情景として体現している。
 どこかで人が喜び、泣き、戦っている。でも全てに関わることは無理そうだし、その気もおきない。自分の生きる環境と道標を見つめ、今と明日をつなぐきっかけと力を、きっと彼らは与えてくれる。
 場とともに時を共有し、共存しながらそれとなく前へ進んでいく――、我々はそんな、相応しい音楽を手に入れた。


(五十音順)